限界なんて、ただのハードル! その1

2023/05/24
群馬県中之条町で、町外から飛び込んで新規就農し、今回、農地所有適格法人(農業法人)を設立された代表取締役の山岸社長へのインタビューです。実は、山岸社長は本ブログに登場2回目です。
なぜ、どのように農業の道を選び、進んできたか・・・聞いてきましたので、2回に分けてご紹介します。

なぜ、農業を目指したのでしょうか
ポイント解説:新規就農者支援事業
今回、会社設立を考えたきっかけは?
・会社の名前「零」の由来とは?
・株式会社零が目指す農業経営
・将来の目標

【山岸社長のプロフィール】
2018年4月 中之条町で新規就農者支援事業を活用し、露地野菜の研修を受講
2019年3月 新規就農者として、「青年等就農計画」が認定される
2023年2月 農地所有適格法人 株式会社零 設立
ハクサイ、キャベツ、サニーレタス、とうもろこしなど約9haの露地野菜づくりに精力的に取り組んでいる。

〇あの時の!山岸さん?
冒頭で、2回目の登場と書きましたが、「中之条ビエンナーレ2021となかんじょ民」の回で、新規農業者の2人にお話を伺った時の、お一方です。
あれから1年半、今回は農地所有適格法人を作って社長になりたい!とのご依頼でした。
日々進化していく山岸さんに、興味津々でいろいろと聞いてみました。
                
<なぜ、農業を目指したのでしょうか>
 中之条町の隣の東吾妻町の非農家の出身ですが、自然を相手にした仕事をしたくて、それには農業だ!と決めていました。高校卒業の時点で、先生に「まず社会経験を積んでみて、それでも農業だ、と思えてから目指したらどうか」と、言われました。
 まずは、一般企業に就職し、接客や営業などを経験してコミュニケ―ション能力は付いたかな、とは思いました。でも、農業をやりたい気持ちは変わらなかったので、22才で退職して、北軽井沢の野菜農家に住み込みで働きました。トップシーズンは週1休みでしたが、全く苦になりませんでした。むしろ、ますます農業を目指す気持ちが強くなりました。
 農業を仕事にするなら、しっかりと農業技術を身に付けようと、中之条町の新規就農者支援事業を活用しながら、研修後に独立するやり方を選びました。

【ポイント解説:新規就農者支援事業】
 農業への人材の一層の呼び込みと定着を図るため、サポート機関等による研修向け農場の整備、新規就農者への技術サポート等の取組、就農に向けた研修資金、経営開始資金、雇用就農の促進のための資金を支援するものです。
 具体的には、年150~120万円の支援を最長で5年間受けることができます。生活基盤は保証されている間、初年度は先輩農家での研修を受け、5年間の営農計画書(青年等就農計画)を作って目標所得を設定します。その後は町の農林課、県農業改良普及所、県農業事務所などのサポートを受けながら、6年目は当初目標の農業所得を達成する、という結果を出さなくてはいけません。

参考:農林水産省ウェブサイト>新規就農者育成総合対策
併せて読みたい・・農林水産省広報誌aff:2023年4月号

<今回、会社設立を考えたきっかけは?>
 新規就農時に5年後の目標とした規模は、前倒しして3年程度で達成することができました。さらに農地を増やし、作目も広げて白菜、キャベツ、サニーレタス、とうもろこし、冬にはタラの芽、ほうれん草などいろいろと試してきました。
 そんな中で高校時代の野球部の後輩が地元で働きたいといってくれたので、正式に雇用しました。働き手が増えると、農作業の効率は上がるし、自分としても給料を払える所得を目指していくことで、さらに気合が入ります。
 もっと従業員を増やし、県外からの人も呼び込みたい・・それを叶えるのは、農業法人化した方が絶対にいい。会社設立はまだ早い、という人もいたけど、やれることは全部やってみようと思ったんです。

【株式会社零のメンバー
〇まとめ
地元の方に伺うと、「山岸くんはいつも畑で作業しているし、暗くなっても照明を付けて農作業している」とのこと。勤勉な努力家なんですね。
山岸社長の持つホワイトボード「限界なんて、ただのハードル!」は、2023年の年頭の目標として、従業員の浅井さんとそれぞれで書き、事務所に掲げられていたものです。
若いパワーもさることながら、周到な準備を重ねて実績を残していく・・次回はそんなお話です。

=プロフィール=
プラン行政書士事務所  代表行政書士  中西浩子
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