「そば」を作る人たち  その2

2024/03/26
今回ご紹介するのは、群馬県高崎市の「HANAZONOふぁーむ株式会社」です。
群馬県内の耕作放棄地で国産そば栽培をするために、農業法人を設立されました。
菅原社長は、長年、前橋空調機器株式会社を経営されており、長野県戸隠高原の「株式会社おびなた」の製麺工場の空調工事を手掛けた縁で、群馬県でのそば栽培を勧められたことがきっかけだと言います。


(HANAZONOふぁーむ 菅原社長)
1 HANAZONOふぁーむの設立
2 国産そばの可能性 
3 そばの花見

1 HANAZONOふぁーむの設立
<HANAZONOふぁーむのプロフィール>
2022年12月  群馬地区座談会「人・農地プラン」に参加し就農相談
2023年2月  農地提供希望者との相談会を開催し、そば栽培・販売計画を説明し、協力を得る
2023年5月  そばの試験栽培を開始
2023年7月  HANAZONOふぁーむ株式会社 設立
2023年11月  高崎市就農相談会を経て、新規就農者として登録
2024年1月  高崎市の13人の農地提供者(27筆の農地)の使用貸借を申請

この約1年の間、菅原社長を中心としたHANAZONOふぁーむ役員の皆さんの行動力には、目を見張るものがあります。
菅原社長は会社経営を継続されながら、他の役員の皆さんも、会社経営や群馬地区で農業をしながら、そば栽培をする農業法人設立の準備をしてきました。
地区の中には、耕作したくても担い手がいないまま、高齢化する農家が多く、農地を適正に管理する(具体的には草刈り作業)責任はとても重いものだといいます。荒れていく農地は、獣害や病虫害などで周辺農地への影響も出てきます。そんな不安を持つ農業者をまとめ上げ、代わって農地を活用し、そば栽培のための農地提供を呼び掛けていったのです。

2 国産そばの可能性
そばの需要量は、年間12~14万トン程度であり、このうち国産そばは3~4万トン程度が供給されていますが、さらなる国産そばの安定的な栽培が求められています。
前回の「そばを作る人たち①」でご紹介した、「株式会社おびなた」の大日方専務の国産そば拡大計画も、まさに安定的な国産そばを求めるものです。
HANAZONOふぁーむは、そのニーズに地域の耕作放棄地活用のそば栽培で、応えていくことを目指しています。

(写真:昨年のそばの花)
そば栽培は、播種後の手間もほとんどかからず、約2ヶ月半~3ヶ月で収穫できるため、群馬地区では5~10月に2~3回収穫ができます。また、そばの実をつけるために、ミツバチを放すので、採れたハチミツを売ることもできます。

(HANAZONOふぁーむのハチミツ)
3 そばの花見  
菅原社長の目標は、群馬町花園地区全体でそば栽培に取り組み、開花時期に「そばの花見」ができる市民の憩いの場を作ることです。高速道路を下りて、高崎市引間町(旧群馬町)に向かうと、沿道を埋めるそばの花が続き、その先の休憩所では、そば茶でひと休み。そば販売のほか、採れたハチミツ、そばを使ったお菓子、お土産品を買えるような場所も作りたい。
これは、社名のHANAZONOふぁーむのネーミングに込められた想いでもあります。

2024年の春からは、HANAZONOふぁーむの、本格稼働です。もっと農地を増やしていくために、専任の農業担当の方の雇用も決まり、準備万端です。
この続きは、少し先の「そばを作る人たち その3」でも、またご紹介したいと思います。

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