いきなりのカタカナ言葉ですみませんが、「エコロジカル・フットプリント」をご存じですか?その意味とは、「生態系を踏みつけている足跡」というものです。ますます「?・・?」の気分ですが、今回はSDGs的なテーマです。
1 指標で見える化
2 年間資源使い切りデー
3 個人診断
1 指標で見える化
エコロジカル・フットプリント(エコフット指標)は、1990年代初めにカナダの大学教授たちが開発した分析手法で、人間の活動が生産可能な土地や海をどれだけ使っているかの面積を測定。国ごとに異なる土地利用型の生産性で係数換算し「gha(グローバル・ヘクタール)」という独自の単位で示されます。一言でいうと、人間の活動が自然環境に与える負荷をわかりやすく表してくれるバロメーターです。
〇次の計算式で求められます
エコフット指標=人口×1人あたりの消費×生産・廃棄効率
また、地球の再生可能な自然資源供給量(バイオキャパシティー)も同様の手法で算出し、比較すると、消費量が供給量の範囲内であれば、地球1個で済みます。が、消費量が供給量を上回り、消費超過では持続可能な地球を維持できません。
国際シンクタンクGlobal Footprint Network(GFN)によると、2018年データでは消費量(21,100,000,000gha)>供給量(12,000,000,000 gha)と、消費過剰です。
1960年代までは世界的な生産と消費のバランスが取れていたのに、下のグラフのように、70年代以降、先進国やその後の新興国などの経済発展に伴う消費拡大で徐々に赤色の部分(生態学的赤字)が増えています。これでは、世界平均で1.7個の地球が必要な計算です。さらに、日本の消費レベルで世界中が生活すると、地球は2.9個が必要になります。
(アース・オーバーシュート・デーの推移)
出典:Global Footprint Network
Earth Overshoot Day
2 年間資源使い切りデー
地球への負荷の“見える化”には「アース・オーバーシュート・デー」という別の視点もあります。地球が年間で生み出す資源を1月1日から使い始めたとして、何日間で使い切ってしまうかという日を示すものです。12月31日なら、地球資源は保たれています。その年の自然の予算を使い果たす日、2023年は世界平均でその日は8月2日、世界中の人が日本と同じレベルの生活をした場合は、さらに短く5月6日です。
3 個人診断
さて、翻って私自身の生活ではどれくらい地球に負荷をかけているのか。Global Footprint Networkのウェブサイトには、個人診断ができるコーナーもあったので、やってみました。
食べ物、住居、商品、乗り物などの4分野、18問の質問に回答すると、「日本の平均」パターンと全く同じ、2.9個の地球が必要で、アース・オーバーシュート・デーは5月5日(1日早い!)との結果でした。私の暮らし方では、約7ケ月分の地球の自然資源を取り崩しながら生きていることになります。とほほ・・地球さん、ごめんなさい。
(私の個人診断結果)
1. 省エネと再生可能エネルギーへの転換を進める。
2. 都市集中ではなく分散型の居住と経済を推進する。
3. 輸入製品の環境負荷を減らす。
4. 食生活を見直し、加工食品の利用を抑え、季節の地元産の利用を増やす。
5. 食料廃棄を減らす。
具体的には、食品ロスを半減すれば、アース・オーバーシュート・デーは13日遅らせる効果がある、衣類の使用期間を長くし、古着利用、修理などで5日遅らせる・・など。
私も少しずつでもやれることから、暮らしを見直そう!と決意したのでした。
参考:
=プロフィール=
プラン行政書士事務所 代表行政書士 中西浩子
日本で暮らしたい、農業をはじめたい
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