「幸せ」をWell-being指数から考えてみる

2025/03/26
3月1日、前橋市の市民向けワークショップ「しあわせ指数から前橋の未来を考えよう」に参加してきました。参加申込をしたら、(なんと44ページの!)事前学習資料が送られてきて、そのなかの「Well-being指数」という考え方を読みこんで、気合を入れて出かけました。

1 Well-being指数とは
2 前橋市の強みと弱みは
3 グループ討議
4 市長との意見交換

参考>(デジタル庁)デジタル田園都市国家構想

参考>前橋市ウェブサイト>ウェルビーイング指標(地域幸福度)について

1 Well-being指数とは
まずは、ワークショップ前に、一般社団法人スマートシティ・インスティテュート代表理事の南雲武彦氏から説明がありました。Well-Beingとは、「幸福、健康、福利」と(Happiness 短期的な感情・精神的な幸せ)幸せよりも広い概念です。近年、日本では、「心の豊さ」は、「物の豊かさ」より大事だと思う人の割合が増えています。では、「心の豊さ」は、何を目指し、どう実現したらよいのか?
ここで、LWC指標(Liveable Well-Being City指標の略)を使って、「暮らしやすさ」と「幸福感(Well‐Being)」を指標で数値化・可視化していきます。

(図1「抽象的な定義の解像度を高めていくと・・・」)
(出所:一般社団法人スマートシティ・インスティテュート)

2 前橋市の強みと弱みは
前橋市では、このLWC指標を活用し、前橋ならではの地域特性を把握し、今後の政策立案に役立てたいと、2023(令和5)年度、Well‐Being個別調査を行っています。「とても幸せ」を10、「とても不幸」を0としたとき、あなたの幸せはどのくらいか・・結果は、平均6.77(全国平均6.47)でした。

参考>前橋市2023(令和5)年度、Well‐Being個別調査概要

さらに、このLWC指標24(図1「抽象的な定義の解像度を高めていくと・・・」)のカテゴリーを細かく見ていくと、アンケートで聞いた市民の感覚(主観)と、統計情報・オープンデータ(客観)は必ずしも一致しません。(例(主観)わたしのまちは子育て支援が手厚いと思う:(客観)人口当たり待機児童数 など)

このように主観データと客観データを突き合わせて、今後考えていきたい以下の6つのテーマごとにグループに分かれ、ワークショップを行いました。
① 医療・福祉
② 交通
③ 地域とのつながり
④ 多様性と寛容性
⑤ 自然環境・防災
⑥ 教育・子育て

3 グループ討議 
私が参加したグループは、④多様性と寛容性のテーマで、討議が行われました。
6人のメンバーの自己紹介で、職業、子育て、介護、それぞれ異なる立場・・という印象でした。グループメンバーには、東京の職場と前橋の二拠点生活を実践されている方もおり、自然豊かな前橋の環境を大変気にいって癒されている、とのことでした。

なかなか話を出しにくい難しいテーマでしたが、ファシリテータから、まずはエピソードトークをしながらと促され、それぞれで思いついたことを付箋紙に書きだします。皆さんの書いた付箋紙が貼られた模造紙を眺めていくと、さらに思いついてあれもこれも・・と、整理していくことで、だんだんとまとまってきました。ざっくりと要約すると、

(グループ討議内容「④多様性と寛容性」)
【課題】
・学びの場
・雰囲気の醸成
【要望・ありたい姿】
・交流の場を作る
・新しい人を受け入れ活躍できる場を作る
【対応策】
・町内会に外国人・若者・女性枠の設定や文化の違いを共有できる場を作る
・前橋の自然を活かし二拠点生活として選ばれるセラピー先進都市の実現

4 意見交換
6つのグループそれぞれが発表を行い、これを受けて小川市長との意見交換もありました。私たち「多様性と寛容性」の発表に関して
(小川晶市長コメント)
・県外からきた私自身を受け入れてくれた「前橋市」は、個人的には「多様性と寛容性」があると感じていたが、意外にも指標は50を超えていない。保守王国といわれるところに、引っ張られているのか。
・これからは、みんなで街をつくっていくことを「前橋スタンダード」として、今日のワークショップのような学べる場、雰囲気づくりをもっと進めていきたい。
(南雲武彦氏からの提言)
・これからもっと増えていく在住外国人のWell-being指数をとってはどうか。
・高校生バンドの推奨のように、大人が若者の文化を後押しし、文化づくりをやっていくことで、マイホームタウンと思えるような活動もよい。

さいごに
2024年移住希望地ランキングで、4年連続1位の静岡県を上回って、群馬県が初めての1位を取りました。「転職なき移住」も実現しやすいテレワークの普及もあるとは思いますが、個人的にはあまり人気が出て、土地や物価が上がり、固定資産税が上がることが心配・・。こんな意識の私って、選挙の時以外、「街づくり」という意識は、ほとんど持てていないことを実感しました。

参考>前橋市ウェブサイト>市民向けワークショップ「しあわせ指数から前橋の未来を考えよう」を開催しました

=プロフィール=
プラン行政書士事務所  代表行政書士  中西浩子
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