6月はプライド月間です。ご存じない方も多いと思います。かく言う私も、今まで聞いたことがありませんでした・・。
LGBTプライド月間(エルジービーティープライドげっかん、英語: LGBT Pride Month)は、LGBTのプライドを祝福し、LGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど)の文化とコミュニティによる貢献を記念するための月です。
(Wikipediaから抜粋)
そんな私ですが、前橋市男女共同参画セミナー「LGBTQを裏側から考える~性の多様性と日本社会~」(講師:高井ゆと里氏)に参加してきましたので、感想だけご紹介します。
〇トランスジェンダーとは
LGBTQについて、ざっくりとおさらいしておきますと、
L:レズビアン(女性で女性が好き)
G:ゲイ(男性で男性が好き)
B:バイセクシャル(女性と男性、どちらも好き)
T:トランスジェンダー(体と心の性別が一致しない)
Q:クエスチョン(性が定まっていない)
+:その他
トランスジェンダーを少し説明しますと、日本では出生時に「男」か「女」どちらかに割り当てられ、戸籍・住民票に登録されます。でも、その割当の性別集団の一員として、自分自身を安定的に理解できなかった人たちが存在します。それがトランスジェンダーです。
でも、すべての人がジェンダーアイデンティティを「女」や「男」のどちらか一方に安定的に見いだしていくわけでなく、2つの性別の間を揺れ動いていると感じる人、どちらの性でもないなど、ノンバイナリー(Xジェンダー)といわれる人もいます。
かつてのテレビドラマ3年B組金八先生 第6シリーズ(2001年~2002年)で、上戸彩が演じた鶴本直が「性同一障害」として、描かれていたことをご記憶の方もあるでしょう。このドラマ以降、一般的にも知られるようになったといわれています。その当時、「性同一障害」と病気のような名前で括られてしまいましたが、「性別違和を持つ」と言い換えておきましょう。
でも、それ以前にも、LGBTQの人たちは、確実に存在していました。全人口の3~3.5%くらいといわれます。(30人に1人程度)学校のクラスに1人はいた可能性があります。
きっと、私の学生時代や職場で出会った人たちのうちにも、いたのかもしれませんが、私は今回の講演を聞くまで、周囲に存在していたであろうLGBTQを全く意識していませんでした。
〇差別と排除
例えばトランス女性(出生時に男性に割当てられ、女の子として生活している)の場合、「男の子だからずるい」と、スポーツをする権利そのものを奪われたり、習い事の入会を断られたり、大会に出場できなかったりするといいます。こうして学校になじめず、極端に成績が悪く、早い段階で学歴社会からのドロップアウトが多くなりがちで、「低学歴」とみなされ、就活で不利に働くこともあります。
さらに、就職時にも、見た目と登録上の性別が合わないための内定取り消しや、その後の社会生活でのアウティングのリスクもあります。
統計では、この1年に経験した自死、自傷(10代LGBTQ)について、2人1人が自殺念慮を持ち、約5人に1人は未遂経験者といわれます。
〇 排除のループを断ち切る
社会構造を変えていくために、アファーマティブアクション(積極的格差是正措置、英語: affirmative action)が重要です。社会には多様な視点が必要であり、そのためには「今までの当たり前」では不便や不自由と感じる人がいるかもしれない、と考えてみることを習慣にしたいと思います。
教育現場ではALLY(性的マイノリティー当事者のことを理解し、支援のために行動する人のこと)となるためのトレーニングを受ける教師もいます。
性別欄のない履歴書を使う企業もあります。
2015年に始まったパートナーシップ宣誓制度は、現在450以上の自治体に増えました。でもやはり「同性婚を法律で認めること」が必要です。
たとえ少数であれ、現状の法律に不便や不自由を感じる人たちがいるなら、誰もが生きやすいように社会を変えていきたいですね。
国民の大多数が賛成しているのに、遅々として進まない選択的夫婦別姓も同じです。
参考
・トランスジェンダー入門/周司あきら・高井ゆと里(集英社文庫)
=プロフィール=
プラン行政書士事務所 代表行政書士 中西浩子
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