「ポカよけ」のトイレ

2021/12/08
先日、食品加工工場を見学する機会がありました。
ラインで動く工場を工程ごとの画像で見ているだけで、製品ができあがる過程が楽しく理解できて、見飽きないです。
食品作業着の職員の方がてきぱきと立ち働き、整然と流れる作業もさることながら、いちばんびっくりしたのは、工場のトイレでした。
〇「完璧な手洗い」をしないと、出られらない!
食品工場のトイレといっても、一見すると何の変哲もない自動ドアの付いた一人用のトイレです。驚いたのは、手洗い後に使用するハンドドライヤーでした。
このハンドドライヤーは、自動ドアと連動していて、5秒以上両手を入れて使用しないと、自動ドアが開かないように設定されています。
つまり、手洗い後に手指消毒し完全に乾かさないと、トイレからは出られないわけです。
現場に行かないと、なかなかわからないことですが、食品加工工場の衛生管理は、こんなにも徹底が図られているのですね。
実はこれらは全て、専門用語で「ポカよけ」と呼ばれています。
〇ポカよけ(Poka-yoke)
ポカよけ・・この言葉、製造業の現場ではよく使われる言葉ですが、そうでない方にはあまり知られていないかもしれません。

「ポカ」は囲碁や将棋で通常は考えられない悪い手を打つことで、ポカを除ける(回避する)がポカヨケの語源です。工場などの製造ラインに設置される作業ミスを防止する仕組・装置のことを指します。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

人間はうっかりミス、つまりヒューマンエラーを起こしてしまうものなので、ヒューマンエラーが起きても大事に至らないように仕組みを考える、というものです。
そして、この言葉は、製造業の分野では海外でも「Poka-yoke」で通じる言葉となっているそうです。

〇身近な「ポカよけ」
例えば自動車のアクセルとブレーキ、ともに右足で操作するよう設計されているので、同時に踏むことはできません。
医療現場でも、病室の壁に設置されている「酸素・吸引」などと記載された取付口は、それぞれ固有の色で区分けされて、ヒューマンエラーが起きないように配慮されています。
設備、機械、工具類にも「ぽかよけ防止」と銘打った商品がたくさんあります。

改良や工夫、手順の見直しで、うっかりミス防止になることは身近でもいろいろとありそうですね。
私はメールを送るときに、文章を作成し読み直してから、アドレスを入れて送信するようにしています。自動返信の場合は、返信用メールのフォーマットに送信相手のアドレスが入ってしまうので、いったん送信アドレスを削って(本文へ移しておく)、文章を作成後、改めて、アドレスを入れます。これで少なくとも、作成途中の誤送信は防げます。
「私、よく失敗するんで・・」という方は、取り入れてみてはいかがでしょう。

=プロフィール=
プラン行政書士事務所  代表行政書士  中西浩子
日本で暮らしたい、農業をはじめたい
さまざまな思いを全力でサポートします。
まずはお気軽にご相談ください!